賃貸物件で可能な床の防音対策とは?壁や天井への対策もご紹介

賃貸物件で可能な床の防音対策とは?壁や天井への対策もご紹介

賃貸物件における住民同士のトラブルの原因として多いのが、騒音にまつわる問題です。
自分ではなるべく騒音を出さないように気を付けているつもりでも、実際は大きな音が響いてしまっていることはあるものです。
そこで今回は、賃貸物件でできる防音対策について「床」「壁」「天井」の3つのポイントからご紹介します。

賃貸物件でもできる床の防音対策について

賃貸物件でもできる床の防音対策について

賃貸物件の構造によっては、足音が下の階に伝わりやすく、階下の住民との間で騒音トラブルが発生しがちです。
賃貸物件では床材の変更といった大掛かりなリフォームはできませんが、いくつかの有効な防音対策を施すことが可能です。
ここでは、床から伝わる音の種類と、賃貸物件でもできる床の防音対策をご紹介します。

重量床衝撃音を完全に防ぐことは難しい

重量床衝撃音とは、重低音で響く鈍い音のことであり、賃貸物件でできる範囲の防音対策だけでは、完全に防ぐことは難しいものです。
具体的には、以下のような音が重量床衝撃音に該当します。

●部屋を歩いたり、走ったりしたときの音
●ダンベルなどの重いものを落としたときの音
●大型家具を設置したときの音


「ドスン」といった大きな音は下の階に響きやすく、しばしば騒音トラブルの原因になります。

軽量床衝撃音は対策により軽減しやすい

軽量床衝撃音とは、軽くて高い音のことであり、防音対策を施すことによりケアできる可能性が高いです。
具体的には、以下のような音を軽量床衝撃音と呼んでいます。

●食器やスプーンを落としたときの音
●硬貨を落としたときの音
●椅子などの軽い家具を引きずったときの音


「カシャーン」といった高い音が軽量床衝撃音にあたり、これからご紹介する対策をとると、トラブルを予防しやすくなるでしょう。

床の防音対策①防音カーペットを敷く

ホームセンターや家具店などで販売されている防音カーペットを敷くだけでも、一定の防音効果が期待できます。
軽いものを落としたときの音や、椅子を引きずったときに出る音などは、防音カーペットで緩和させられる可能性が高いでしょう。
食器などを落としやすいキッチンやダイニング、人が過ごすことの多いリビングなど、一部の箇所に防音カーペットを敷くだけでも、十分な防音対策につながります。

床の防音対策②スリッパを履く

シンプルな防音対策ではありますが、スリッパを履くことは有効な対策です。
素足のまま室内を歩き回ると騒音になりやすく、とくに深夜や早朝といった物音が立ちにくい時間帯は階下に足音が響きやすくなります。
ふわふわした感触のスリッパを履いて生活すると、スリッパがクッションとしての機能を果たしてくれるため、高い防音効果が期待できるでしょう。

賃貸物件でもできる壁の防音対策について

賃貸物件でもできる壁の防音対策について

アパートやマンションといった集合住宅では、左右の部屋にも入居者がいるケースが多いため、壁への防音対策も必要になります。
壁の防音対策といえば、大きな工事が必要に感じるかもしれませんが、賃貸物件の入居者でも対応できる簡単な防音対策も多いです。
ここでは、具体的な壁の防音対策を3つご紹介します。

壁の防音対策①吸音材を利用する

吸音とは、室内で発生した音を吸収して、反響や残響による騒音トラブルを防ぐ対策です。
吸音材を利用して騒音対策をおこなうと、人間の話し声や、スピーカーから出た音などが吸収され、左右の部屋に伝わりにくくなります。
賃貸物件で吸音対策をしたいときは、ホームセンターなどで販売されている「吸音シート」を壁に貼って対策すると良いでしょう。
吸音シートには無地のものや木目調のもの、模様がプリントされたものもあり、おしゃれを楽しみながら防音対策をおこなえます。

壁の防音対策②遮音材を利用する

遮音とは、室内で発生した音を跳ね返し、近隣の部屋など外部への音漏れを防ぐ対策です。
先述した吸音とは異なり、室内での反響や残響は残りやすくなりますが、騒音トラブルを防ぐうえでは役立つでしょう。
ホームセンターなどで販売されている「防音シート」のなかには、遮音効果が期待できる商品が含まれていることがあります。
遮音材には、マットのように敷くタイプのアイテムもあるため、音が伝わりやすい廊下や子ども部屋への防音対策として用いるのもおすすめです。

壁の防音対策③防振対策をおこなう

防振とは、発生した音が振動して、物から物へと伝達することを防ぐ対策です。
日常生活において、物と物がぶつかった衝撃で発生した音や、廊下を歩くときなどの振動で発生する音を表す「固体伝播音」を抑えるうえで、防振対策が役立ちます。
具体的な対処法としては、振動が伝わりやすい床などに防振材を設置して振動を抑える対策が有効です。
防振対策は床に対して施すことも多い対策ですが、振動エネルギーを吸収する「制振シート」を壁に貼り付けることにより、壁の防音対策として役立てられることがあります。

賃貸物件でもできる天井の防音対策について

賃貸物件でもできる天井の防音対策について

ここまでは賃貸物件の床や壁に対する防音対策をお伝えしてきましたが、天井の防音対策もぬかりなくおこなわなければなりません。
天井の防音対策をおこなうと、自室の音が上階に伝わるのを防ぎやすくすると同時に、上階から伝わってくる騒音を遮断できる可能性もあります。
吸音材や遮音材を使った対策にくわえて、家具の配置といった工夫をするだけでも天井の防音対策ができるため、対処法を確認しておきましょう。

天井の防音対策①家具の配置を見直す

上階からの騒音が気になるのであれば、大家さんに指摘して住民に注意してもらう対策も有効ですが、それでも騒音が収まらないときは自分で対策をするしかありません。
特定の場所から騒音が発生しているときは、家具の配置を見直すと防音対策ができる可能性があります。
足音などの騒音を感じる箇所に、背の高いタンスや棚といった家具を設置してみましょう。
家具が自室と天井のクッション材としての役割を果たし、上階の振動音や音を遮ってくれるため、簡単に防音できます。
上階の騒音がどこから響いているのか特定できないときは、不動産会社に相談して、上階の間取りを確認すると良いでしょう。
リビングなどの生活空間がどこにあるか特定したり、振動音が発生しやすい洗濯機の設置場所を特定したりすると、効果的に家具を配置しやすくなります。

防音対策②吸音材と遮音材を天井に貼り付ける

家具の移動による防音対策が難しかったり、防音対策が期待どおりの効果を発揮しなかったりするときは、天井に吸音材と遮音材を貼り付ける対策が有効です。
吸音材や遮音材には「パネルタイプ」と「シートタイプ」があり、気になる音の種類に応じて、最適な防音対策の方法を選択できます。
貼って剥がせるタイプの吸音材や遮音材を選ぶと、賃貸物件から退去するときはパネルやシートを剥がすだけで元の状態に戻せるため、原状回復に無駄な費用が発生する心配もありません。
また、設置場所などを自分自身で簡単に微調整できるため、貼り間違えてしまったとしても、やり直しがきくこともメリットです。

まとめ

賃貸物件の床に対する防音対策としては、防音カーペットの設置やスリッパの着用といった対策が有効です。
壁に対しては、吸音・遮音・防振と3つの対策を施すことにより、左右の部屋への騒音を防ぎやすくなります。
上階の騒音が気になるときは、家具の配置を見直したり、吸音材と遮音材を設置したりして対策しましょう。