賃貸物件で害虫が出る要因と条件は?害虫駆除業者に依頼した際の負担を解説

賃貸物件で害虫が出る要因と条件は?害虫駆除業者に依頼した際の負担を解説

賃貸物件に暮らしている中で、室内に害虫が発生していて困ったという経験がある方も少なくないでしょう。
害虫が発生している原因や建物の条件、害虫駆除業者を依頼する際の費用を誰が負担するのかは、知っておいたほうが良いでしょう。
今回は、賃貸物件で害虫が発生する原因や建物の条件、害虫駆除業者へ依頼する際の費用負担に関して解説します。

害虫駆除の依頼前に賃貸物件で害虫が出る原因

害虫駆除の依頼前に賃貸物件で害虫が出る原因

もし、大量の害虫が発生していて悩んでいる場合は、なぜ虫が発生しているのかを考える必要があります。
虫が発生する3つの原因を1つずつ理解しておきましょう。

掃除を怠っている

ゴキブリやハエなどの害虫にとってゴミはエサ場であり、ゴミが多い部屋であればあるほど、室内に虫が発生するリスクが高くなります。
とくに、三角コーナーに溜まったゴミや油汚れなどは、掃除を怠る方も多いですが、虫が発生しやすい場所です。
ゴミの放置は、害虫の発生だけではなく、悪臭も放つため周囲にも影響が出るおそれがあります。
ゴミが出たら、すぐに掃除する習慣を身につけるのが、虫を発生させないポイントです。
なお、ゴミ捨て場が近くにある物件は注意が必要です。
敷地内にあって管理人が常駐していれば大きな問題はありませんが、ゴミ捨て場を町内で共有するケースでは、状況によって異なります。
ゴミ捨て場の状態が良くなければ、害虫が発生しやすい環境の可能性が高くなるからです。

湿気が多くて日当たりが悪い場所にある

虫は湿気が多く、ジメジメとした環境を好み、日当たりや風とおしがよくない場所ほど、害虫が発生するリスクが高まります。
低層階は日当たりに恵まれにくく、地面の影響を受けやすい点から、室内の湿気がたまりやすい場所です。
とくに、アリやムカデなど地面を這って移動する虫が出やすいため、害虫駆除が必要になります。
また、木造の賃貸物件は、隙間ができやすいため、虫が出やすい傾向にあります。
気密性が高い鉄筋コンクリート造を選んでも、ドアポストがあると、隙間から小さな虫が侵入するリスクは避けられません。

築年数が経過している物件

一般的に築年数が経っている物件は、新築や築年数が浅い物件よりも、虫が出や少なります。
経年劣化でドアや窓など建具の建付けが悪くなり、隙間が生じる可能性があるからです。
隙間があると、虫だけでなく風も入り込みやすいため、冷暖房の効率が下がってさらに住みにくくなります。
もし、建具の建付けに問題がある箇所を見つけたら、早めに大家さんか管理会社へ連絡するのがおすすめです。
なお、築年数が経過していても管理が行き届いていたり、リノベーションしていたりする物件は、築年数が浅い物件と同程度まで虫の発生頻度が抑えられるでしょう。

賃貸物件で害虫駆除を依頼する際の費用負担

賃貸物件で害虫駆除を依頼する際の費用負担

害虫が大量発生して手に負えないときは、害虫駆除業者へ依頼するケースがほとんどとなります。
駆除業者へ依頼した際の費用は誰が負担するのか、依頼する場合の一連の流れを解説します。

費用負担は原則大家さんや管理会社

建物の老朽化で建物全体に害虫による被害が生じている物件は、害虫駆除業者に依頼したときの駆除代は管理者の負担です。
入居したときから網戸が破れていたケースのように、入居や施工の段階で不具合があるケースも、管理者側の過失を理由に請求が認められるでしょう。
水まわりに発生する害虫に悩まされている方は、排水トラップが原因の可能性があります。
排水トラップの詰まりや劣化が原因で、排水トラップとしての機能が働いていないと、排水管を伝って害虫が上がりやすくなります。
配管の設備は管理者がおこなうため、配管の不具合が原因で害虫が発生しているときの駆除費用も管理者の負担です。
また、以前住んでいた方が原因で害虫が発生しているケースもあるかもしれません。
たとえば、以前の入居者がキッチンを利用していたときの油汚れが残っていて、そこから害虫が生じるケースも少なくありません。
入居者が退去する場合は、管理者には室内をクリーニングしてから新しい入居者へ引き渡す義務があります。
退去時の対応が不十分で害虫が発生しているとみなされ、管理者側の負担になります。

ケースによっては入居者負担になる場合がある

管理会社が費用を負担する場合もありますが、居住者に要因がある場合には、居住者が駆除費用を負担する場合もあるため注意が必要です。
入居者には善管注意義務と呼ばれる義務があり、害虫や結露、カビの発生を予防する義務を果たさなければなりません。
もし、ゴミを放置したり、掃除を怠ったりしたのが原因で害虫が発生した場合は、善管注意義務違反に該当し、入居者負担となります。
また、害虫が発生している要因には、さまざまな背景が考えられるため、前の入居者が原因で害虫が発生していたとしても、特定できるとは限りません。
このようなケースでは、管理者側による過失とは認められない可能性が高くなりやすいです。
ただし、現在入居している方の過失の可能性が低く、同じ部屋へ住み続けるのが困難なほどの害虫被害には、管理者側に引っ越し代を負担してもらえる場合があるでしょう。

賃貸物件にて害虫が発生する条件

賃貸物件にて害虫が発生する条件

害虫が発生する確率が高い物件を避けるために、3つの条件を意識するのがポイントになります。
虫が苦手な方や害虫の発生に悩んでいる方は、条件に当てはまっていないか確認しましょう。

周囲に商業施設や飲食店が多い

商業施設や飲食店は食べ物を扱うため、ゴミが大量に出やすく、その分ゴキブリやハエが近寄りやすくなります。
賃貸物件のなかには、1階がコンビニエンスストアになっている物件がありますが、虫が苦手な方は避けたほうが良いでしょう。
さらに、飲食店の系統によっては、においや煙、騒音の影響も受けやすくなります。
物件を探している方は、店舗の営業時間に内見して、窓を開けたときに騒音やにおいがないかどうかチェックしましょう。

周囲に水場が多い

騒音を避けるために公園の近くにある賃貸物件を選ぶ方がいますが、公園には屋外用照明が設置されており、ガやユスリカなどの虫が集まりやすいです。
また、公衆トイレがあるとトイレの水やにおいで害虫が集まるため、周辺の物件でも害虫を見かける可能性が高まります。
公園が近くにあると、散歩やジョギングができ、気軽に気分転換できますが、水場が多いと害虫が出やすいデメリットも含めて入居するか検討しましょう。
このほか、公園以外に、田畑や山林の近くにある物件を選ぶ際も注意する必要があります。
住宅地にある物件と比較して、ゴキブリの害虫は発生しにくいですが、自然豊かな環境はハチやムカデ、カメムシなどの虫が多く生息しています。
また、ハチは建物の玄関や室外機などに巣を作りやすいため注意しましょう。

低層階に住んでいる

低層階は地面を這う虫や飛ぶ虫が発生しやすい傾向にあります。
虫は約10mまで飛べるといわれており、アパートやマンションの3階に相当する高さです。
したがって、虫が苦手な方は1階から3階までの物件は避けたほうが良いでしょう。
低層階は、虫が出やすいデメリットがある一方で、上層階より家賃が安い傾向にあります。
1階と上層階で約5,000円も差が生じる物件もあるため、家賃を抑えたい方には低層階を推奨します。
もし、低層階に住む場合は、虫が苦手とする植物を置く方法が有効です。
たとえば、ゴキブリはハッカやミントの香りを嫌うため、玄関周辺やベランダにハッカやミントを置くと良いでしょう。
植物は防虫効果だけでなく、見た目や香りを楽しめてリラックスできる点からもおすすめの対策法となります。

まとめ

害虫が発生する原因には、ゴミが多かったり、湿度が高くて日当たりが悪い場所であったりがあります。
周辺に商業施設や飲食店、水場が多い場所は害虫が発生しやすい条件となるため、賃貸物件選びの際は注意すべきポイントです。
害虫駆除業者を依頼する際は、原則として大家さんや管理会社が負担しますが、条件によっては入居者が負担する場合があるかもしれません。